地場景況感
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不動産情報サービスのアットホーム(株)はこのほど、「地場の不動産仲介業における景況感調査(2018年7~9月期)」を発表した。
宮城県、首都圏(1都3県、東京都は23区と都下)、静岡県、愛知県、近畿圏(2府1県)、広島県、福岡県の12都府県13エリアにおいて、前年同期と比較した業況判断指数(DI)を算出。北海道は胆振東部地震の直後であったため、調査対象外とした。「50」を前年並みとする。アットホームの全国不動産情報ネットワーク加盟店のうち、都道府県知事免許を持ち5年を超えて不動産仲介業に携わる2万3,698店の経営者層を対象にインターネットで調査した。調査期間は9月13~30日。有効回答数は1,219店舗。
当期の賃貸仲介の実績DIは、首都圏が44.6(前期比2.8ポイント低下)と2期連続の低下、近畿圏は47.5(同0.8ポイント上昇)となった。両エリアとも15年以降では、上下動はあるが依然として堅調に推移している。
首都圏では、東京23区がDI45.8(同4.7ポイント低下)と3期ぶりにDI50を下回った。近畿圏では、大阪府が調査開始以来最高の50.4(同0.4ポイント上昇)を記録し好調。また広島県では、大規模な自然災害を要因に賃貸需要が増加し、51.1(同7.3ポイント上昇)と大幅に上昇した。全体的には、13エリア中7エリアで実績DIが前期を下回った。
18年10~12月期の見通しDIは、首都圏が45.3、近畿圏が48.1と上昇を見込む。13エリア中7エリアが上向きで、その大半が首都圏・近畿圏エリアとなった。
回答した不動産店からは、「比較的高齢の方が増えているように感じる」(埼玉県越谷市)、「即決のお客さまが増えた」(大阪府大阪市)といった声のほか、「地震、豪雨、台風が原因のご来店が多かった。建物の損壊による立ち退きや、鉄筋コンクリート造などの頑丈な建物への自主的な引っ越しなど」(大阪府茨木市)、「土砂災害警戒区域や浸水の恐れのない地域で住居を探す人が多くなった」(広島県広島市)、など期中に起きた自然災害の影響が多く見られた。
売買仲介の実績DIは、首都圏が45.9(同1.1ポイント低下)で、7~9月期では調査開始以来最高となった。近畿圏は45.3(同3.2ポイント低下)。賃貸と同様に、過去4年で見ると両エリアとも堅調に推移している。
首都圏では、東京都下が53.6(同8.1ポイント上昇)と大幅な上昇。近畿圏3エリアはいずれも低下し、特に京都府は47.1(同9.4ポイント低下)と大幅に低下、5期ぶりにDI50を下回った。広島県でもDIは39.0(同7.4ポイント低下)と大きく低下しており、西日本エリアでは災害の影響で賃貸と売買で明暗が分かれた。全体的には、13エリア中7エリアで前期の実績DIを下回った。
見通しDIは、首都圏が46.5、近畿圏が47.5と、賃貸と同様にやや楽観的な見方が広がった。
不動産会社からは、「消費税値上がり前に購入を考えているのか、少し来客が増えた気がする」(東京都青梅市)、「個人消費者より、戸建建売業者の土地仕入れ需要が多い」(宮城県仙台市)とった声のほか、西日本エリアでは、「7月に起こった浸水被害等の影響で、物件キャンセルがあった」(広島県三原市)、「自然災害を気にされる方が増えた」(大阪府吹田市)、などのコメントが寄せられた。